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JLPT N2 Reading Comprehension Dokkai

江戸時代以前、人々の普段の生活はとても単調で、 毎日ほぼ同じ事の繰り返しだった。 特に農村は娯楽もほとんどなく、 食生活も貧しかった。 白米や酒は贅沢品で、めったに口にすることができ
なかった。 しかし、正月や祭り、 結婚式などは特別な日だった。 この日だけは白米や餅を食べ、 たっぷりの酒を飲む。 いい着物を着て、歌や踊りに興じる。 このような「非日常」を思い切り楽し むことで、人々は「日常」 のつらさを忘れることができた。
民俗学者の柳田國男は、このような特別な場面を 「ハレ」、それ以外の毎日の生活を 「ケ」と名付
けた。昔は「ハレ」 と 「ケ」 がはっきりと分かれていて、それが人々の生活にリズムを与えていたと 考えたのである。では、現在はどうか。 もちろん結婚式などは今でも人生で特別な場面であろう。 しかし、近代化 が進んだ結果、 昔は特別な日にしかできなかったこと おいしい物を食べたり、 綺麗な服を着る などということは、すっかり普通のことになった。TVだ映画だカラオケだと、 娯楽も日常化して いる。現代は「ハレ」 と 「ケ」 の境界があいまいになっているのである。


問い この文章の内容として最も適切なものはどれか。
I 昔は「日常」と「非日常」 がはっきりと分かれていたが、今はその差があまりわからなくなって いる。
2 昔の生活は単調でおもしろくなかったが、今は豊かになって日常生活も楽しいものとなってい る。
3 結婚式やお正月は昔は「非日常」の場面だったが、現在では「日常」になってしまっている。
4 現代の人々も、昔のように 「ハレ」 と 「ケ」 をはっきりと分けて生活しなければならない。

Vocabulary list
江戸時代(えどじだい) – Edo Period
以前(いぜん) – Before
普段(ふだん) – Usual, everyday
生活(せいかつ) – Life, lifestyle
単調(たんちょう) – Monotonous, dull
繰り返し(くりかえし) – Repetition
農村(のうそん) – Rural area, farming village
娯楽(ごらく) – Entertainment, amusement
食生活(しょくせいかつ) – Diet, eating habits
貧しい(まずしい) – Poor, meager
白米(はくまい) – White rice
酒(さけ) – Alcohol, sake
贅沢品(ぜいたくひん) – Luxury item
めったに – Rarely, seldom
口にする(くちにする) – To eat, to consume
正月(しょうがつ) – New Year’s
祭り(まつり) – Festival
結婚式(けっこんしき) – Wedding ceremony
特別(とくべつ) – Special
餅(もち) – Rice cake
着物(きもの) – Kimono, traditional Japanese clothing
歌(うた) – Song
踊り(おどり) – Dance
興じる(きょうじる) – To enjoy oneself
非日常(ひにちじょう) – Extraordinary, out of the ordinary~
思い切り(おもいきり) – To the fullest, with all one’s might
楽しむ(たのしむ) – To enjoy
日常(にちじょう) – Daily life, routine
つらさ – Hardship, difficulty
忘れる(わすれる) – To forget
民俗学者(みんぞくがくしゃ) – Folklorist
柳田國男(やなぎたくにお) – Kunio Yanagita (folklorist’s name)
特別(とくべつ) – Special場面(ばめん) – Scene, situation
名付ける(なづける) – To name, to call昔(むかし) – Old days, past
はっきりと – Clearly, distinctly
分かれる(わかれる) – To separate
生活(せいかつ) – Life, livelihood
リズム – Rhythm現在(げんざい) – Present, current
近代化(きんだいか) – Modernization
進む(すすむ) – To progress, to advance
結果(けっか) – Result
おいしい物(おいしいもの) – Delicious things
綺麗(きれい) – Pretty, beautiful
服(ふく) – Clothes
TV(テレビ) – Television映画(えいが) – Movie
カラオケ – Karaoke境界(きょうかい) – Boundary, border
あいまい – Ambiguous, unclear

Reading 2

スポーツをやる目的やかかわり方は種々多様である。 オリンピックで金メダルを争うような熾烈 なスポーツもあれば、 勝敗はともかくみんなで楽しく遊べばよいというスポーツもある。 健康のた めに、あるいはレクリエーションのためにというスポーツのある一方で、 スポーツが仕事というプ ロスポーツも存在している。 しかしやり方や目的は違え、どれもスポーツであることには変りはな い。 (中略)
レベルは違ってもスポーツはスポーツなのであり、 そのレベルから少しでもうまくなり、強くな
ろうとするやり方は基本的には違いのないものである。 頂点に通じる長い山道のどこを歩いている
かの違いであり、 けわしさや空気の薄さは上にいくほどつらくはなるが、 歩いて進むことや歩き方
には変りはない。 そしてどこで立ち止まっても山の空気は新鮮で、景色は美しい。 その人その人に よって、どの高さで楽しんでもいいものだし、そうして誰にでももう少し高く登ってみたいと思わ せるのがスポーツというものなのである。
(浅見俊雄 『スポーツの科学』 東京大学出版会)

問い この文章で筆者が最も言いたいことは何か。

1 登山は、どんな人でも楽しむことができ、 誰もがより高いところを目指そうとする。
2 登山というスポーツは、上にいくほど苦しくなるが、 どこにも楽しさはある。
3 スポーツとは、どのレベルでも楽しさがあり、 少しでも上達したいと思うものである。 スポーツにはさまざまなレベルがあるが、 楽しくないものはスポーツではない。

Vocabulary

スポーツ – Sports
目的(もくてき) – Purpose, objective
かかわり方(かかわりかた) – Way of involvement, interaction
種々多様(しゅじゅたよう) – Various, diverse
オリンピック – Olympics
金メダル(きんメダル) – Gold medal
争う(あらそう) – To compete, to contest
熾烈(しれつ) – Intense, fierce
勝敗(しょうはい) – Victory or defeat, outcome
ともかく – Anyway, regardless
健康(けんこう) – Health
レクリエーション – Recreation
一方(いっぽう) – On the other hand
仕事(しごと) – Work, job
プロスポーツ – Professional sports
存在する(そんざいする) – To exist
違い(ちがい) – Difference
基本的(きほんてき) – Basic, fundamental
頂点(ちょうてん) – Summit, peak
通じる(つうじる) – To lead to, to connect
山道(やまみち) – Mountain path歩く(あるく) – To walk
けわしさ – Steepness, harshness
空気(くうき) – Air
薄さ(うすさ) – Thinness, lightness
進む(すすむ) – To progress, to advance
歩き方(あるきかた) – Way of walking
立ち止まる(たちどまる) – To stop (walking), to pause
新鮮(しんせん) – Fresh景色(けしき) – Scenery, landscape
高さ(たかさ) – Height
楽しむ(たのしむ) – To enjoy
誰にでも(だれにでも) – To anyone, everyone
登る(のぼる) – To climb, to go up
思わせる(おもわせる) – To make (someone) think or feel

reading 3


リーダーたるもの、必要であればメンバーを怒ることからも逃げてはならない。 締めるところを締めてこそチームの結束も強まるものだ。
ではリーダーは、メンバーの何を怒ればいいのか。いちばん最悪なのは、 相手の人格を否定する怒り方だ。 「だからお前はダメなんだ!」などと怒鳴っても、ことは何ひとつ進展しない。 怒るのはあくまでも、 仕事への取り組みについてであるべ
きだ。とはいえ仕事のミス自体を「何をしているんだ!」とただ叱咤 (注1) するのもいただけない。リー ダーならばメンバーのミスについては、なぜミスが起きたのかをまず分析したい (この点は後述す る)。リーダーが本気で怒るべきは、メンバーの仕事に対する 「意識」 や 「姿勢」に甘さが見えたときだ。 たとえば、ある人が同じミスを何度も繰り返したときや、周りに協力を仰がねばならないのに本 人が消極的なとき。 口だけで行動がともなっていないときや下を育てる立場にいながら、 後輩の力 不足を嘆いているだけのとき(そこを伸ばすのが自分の使命だとわかっていない)。 (中略)もちろん怒れば自分自身も気分はよくないし、 相手もいったんは完全にしょげてしまう。だが、
あなたが手を抜かずに本気で怒れば、相手もあなたの想いを汲み取って必ず奮起して(注2) あなたが手を抜かずに本気で怒れば、 相手もあなたの想いを汲み取って必ず奮起して(注2) くれる。
(藤巻幸夫『フジマキ流 アツイチームをつくるチームリーダーの教科書』 インデックス・コミュニケーションズ)(注1) 叱咤: 大声で叱る(注2) 奮起する: やる気を出す


リーダーたるもの – Being a leader, as a leader
必要(ひつよう) – Necessary
怒る(おこる) – To get angry
逃げる(にげる) – To avoid, to escape
締める(しめる) – To tighten, to secure
結束(けっそく) – Unity, cohesion
強まる(つよまる) – To strengthen
人格(じんかく) – Personality, character
否定する(ひていする) – To deny, to negate
怒鳴る(どなる) – To shout, to yell進展(しんてん) – Progress, development
取り組み(とりくみ) – Approach, effort
叱咤(しった) – Scolding (loudly), reprimanding (*see 注1)
いただけない – Unacceptable, not advisable
分析(ぶんせき) – Analysis
意識(いしき) – Awareness, consciousness
姿勢(しせい) – Attitude, stance
甘さ(あまさ) – Leniency, lack of discipline
繰り返す(くりかえす) – To repeat
協力(きょうりょく) – Cooperation
仰ぐ(あおぐ) – To ask for, to request
消極的(しょうきょくてき) – Passive, unmotivated
行動(こうどう) – Actionともなう – To accompany, to go along with
後輩(こうはい) – Junior, subordinate
嘆く(なげく) – To lament, to sigh
使命(しめい) – Mission, duty
気分(きぶん) – Mood, feeling
完全に(かんぜんに) – Completely
しょげる – To feel down, to be discouraged
手を抜く(てをぬく) – To cut corners, to slack off
想い(おもい) – Thoughts, feelings, intentions
汲み取る(くみとる) – To understand, to grasp (someone’s feelings)
奮起する(ふんきする) – To be motivated, to stir up motivation (*see 注2)

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